マイナンバーカードのトラブルが続出しています。
簡単に把握するために、本記事ではそのトラブルを大きく4つにまとめました。
まとめるにあたって調査した結果、トラブルの原因は、手作業によるヒューマンエラーとシステムエラーに加え、自治体に設置してあるマイナポイント支援端末での操作ミスもあったことが分かりました。
目次
マイナンバーカードのトラブル一覧

出典:境港市
主要4つのトラブルと件数についてはNHKの報道を参照しています。
それでは一つずつ見てみましょう!
①マイナ保険証に他人の情報登録7372件
マイナンバーカードと保険証を一体化することで、お薬手帳を持ち合わせていなくてもデータを見ることができるなどの利便性があるとのことですが、約5400万件中、誤って他人の情報がひも付けられていた事例が昨年11月までに7327件発覚したトラブルがありました。
②公金受取口座に誤った登録
まず「公金受取口座」とは、給付金などを受け取るための口座のことです。
他人の口座登録940件
公金受取口座は基本的にがスマホにインストールした「マイナポータル」アプリから登録できるのですが、その操作ができない方のために、自治体などに設置されているマイナポイント支援端末での操作ミスで誤登録されるトラブルがありました。
前の人がログアウトをしていない状態で次の人が使用したために誤登録が起こったと説明されています。
“家族名義”口座登録 約13万件
本来、本人の口座のみを登録するものなのですが、知らずか意図的にか、子どもの公金受取口座に、家族の名義で登録したと考えられる事案が約13万件あるという誤登録トラブルがあります。(参照:yahooよりITジャーナリスト山口健太氏)
その口座を子供に代わって親が管理している場合は、どのみち給付金の受け取りは親になるそうなので、ルールに従って本人名義で登録する必要があります。
③「マイナポイント」他人に付与・可能性172件
「マイナポイント」とは、マイナンバーカードの取得などで国が最大2万円分のポイントを付与する総務省の政策ですが、このポイント誤付与の可能性は172件だそうです。
先の原因と同じく、自治体に設置されているマイナポイント支援端末で、前の人がログアウトしていない状態で、後続の人が手続きを進めたことが誤登録トラブルの原因だと考えられています。(参照:日経XTECH)
④他人の障碍者手帳の情報登録 少なくとも62件
静岡県内の障害者1人から、スマホアプリの「マイナポータル」で自分の手帳情報が取得できないと相談があり発覚しました。
マイナンバーの個人番号と障害者手帳の情報のひも付けの際に、誤って同姓同名の別人の情報を登録していたり、全く異なる人の誤登録や、複数の情報を誤って一つのマイナンバーにひも付けていたなどのトラブルがあったそうです。(参照:NHK)
トラブルはなぜ起きた?
これらのトラブルの原因は、システムエラーや人的エラーだと挙げられています。
先の障碍者手帳のひも付けエラーについて言うと、2017年度から静岡県の障害福祉課の職員1人が主に入力を担当しており、その確認が不十分だった可能性があると言います。(参照:NHK)
また、誤登録のあったある自治体の現場では、約5900人のデータを職員5人で手作業で入力していたなど、システムエラーとヒューマンエラーが起こる可能性は容易に想像できます。(参照:朝日新聞)
筆者も以前ある取材番組で、数人の職員が、何万人分の情報を、1つ1つ名前と番号を目で確認しながらものすごいスピードで、全てをただひたすらに手入力しているシーンを見たことがあります。
ミス0はむしろあり得ないだろうと思いました。
関係官僚や国会議員の責任は?
このトラブルの原因は担当した職員のヒューマンエラーとシステムの問題だけでしょうか。
この政策の中枢を担っている関係官僚や国会議員に責任があることは忘れてはいけません。そして現在既に行われている対策とその結果について注視していきましょう。
日本人はエラーに対して注目しすぎ?
経済アナリストのジョセフ・クラフト氏はアメリカ人としての立場でこのように述べていました。
指摘を要約すると、
- 何千万個のマイナカードがあるなかで13万件、あるいは(無関係な別人との口座登録が)約700件など、0.001%くらいの数字は僅かであり、エラーに対する過度な批判止まりでは問題がある。
- アメリカでは「間違いが起きた」という問題よりも「間違いをいかに早く直すか」というところに焦点を当てる。
- 「間違いが起きた」という問題が大きくニュースになると、トラブルの非公表、隠そうとするようになるなど、いつまでも制度が積極的に進みません。(参照:ニッポン放送)
起きてしまったミスに対してバッシングをし続けるのではなく、ではどう解決するか?の方に今後も着目していきたいと思います。
まとめ
マイナンバーカードのトラブルが続出しているため、大きく主要4つのトラブルとその件数をまとめました。
- マイナ保険証に他人の情報登録7372件
- 公金受取口座に誤った登録
- ①他人の口座登録940件
- ②“家族名義”口座登録 約13万件
- 「マイナポイント」他人に付与・可能性172件
- 他人の障碍者手帳の情報登録 少なくとも62件
人による手入力と、ひも付け対象の情報システムとの相性など、誤登録の原因に関しては起こり得るトラブルだと思います。
ですので、トラブルの公表を怠ったり隠ぺいなどはせずに(無いと思いたいですが)、国民にとってより良いシステム構築となるように早急に対応していただき、その結果を報告してもらいたいと思います。